カタリストという職種で働いています。カタリストの中にもいくつかチームがありますが、僕は展示会やアート作品の制作進行を担当するチームに所属しています。仕事の内容としては、お客様とのコミュニケーション、スケジュール・予算管理、社内調整、制作・開発の管理などです。また僕の担当しているアート・展示系のチームでは、機材設計・調達から、検証や現場設営、ソーシャルブランディングチームと連携しながら撮影やメディアへの対応なども行います。もちろん、お客様からの具体的なご要望に応えるという場合もありますが、「なんとなく、ざっくり面白いものをつくってほしい」みたいな、ふわっとした依頼も多かったりします。 そうしたふわっとしたご要望に対して、そのお客様だけでなく、実際に来場してくださるお客様のことまで含めて、どのような体験になるのかなど想像しながら、作る仕事が多いです。
入社して一年目すぐに、数件のプロダクト導入の案件を担当しました。そして、少し身体が空いたな、と思ったタイミングで、DMM.PLANETSの担当になりました。これが、同じ入社一年目の話です。このDMM.PLANETSは、2016年の夏に、お台場で開催された展覧会なのですが、自分にとって印象に残っているプロジェクトになりました。今になって思うと、正直、とても運が良かったと思います。 初め、2016年の3月中旬頃にお話をいただいて、自分ひとりで現場に行きました。現地の写真を撮影し、それを見ながら、社内のメンバーと、どういう作品・展示会にするかを考えました。でも、正直、その時には、こんな大きなプロジェクトになるとは思っていなかったです。最終的には、ありがたいことに、毎日、VIPだったり、メディアが来たりとかお祭りのような毎日でした。最長6時間待ちになるほどでした。47日間開催していたわけですが、僕は、お台場のホテルに連泊したりしながら、ほぼ毎日、朝から晩まで現場にいて、対応をしていました。他では、できない体験だったと思います。 印象に残っているのは、現場でのCM撮影です。会期が始まる前の撮影だったため、その日までに作品が完成するか、ギリギリの状況でした。当日も、スタッフも含めて30名以上いて、スケジュールが限られているなかで、どんなミスも許されない状況でしたが、なんとか大きなトラブルもなく撮影を終えることができホッとしました。 このDMM.PLANETSは、関わっているメンバーが尋常ではないほど多かったです。チームラボ内だけでも50名くらいのメンバーが関わっていたわけですが、それだけでなく、DMM様、フジテレビ様、施工の業者様や、運用チームもいて、社内外で数え切れないほどのメンバーが、関わってプロジェクトを進めていました。僕は、正直、毎日、目の前のことを解決することに必死でした。当時は、まだ、全体が見えていなかったように思います。展示が終わってから、色々なことに気がついた感じでした。
その後、DMM様とは、新オフィスを一緒に作りました。世界中を探してもどこにもないようなオフィスを作りたい、というご要望に応えたくて、社内のチームメンバーとも、何度も相談しながら進めていきました。DMM.PLANETSの時よりも、さらに機材の数も増えていましたが、こうしたらできるんじゃないか、というのが少し見えていました。それは、DMM.PLANETSでの経験が、生かせたと思います。
また、同じカタリストチームの先輩も、僕にとって、とても大切な存在です。自分の頭が混乱している時などに、何をしたらいいか、というのを、明確にしてくれたり。本当にどうにもならないと思った時に、助けてくれます。前述のCM撮影の時などにも、遠隔での操作などを代わりに担当してくださったり。外部のメンバーとのコミュニケーションで難しいなと思っている時なども、さらっとアドバイスしてくれる。とても頼りにさせてもらっている先輩です。
チームラボを受けようと思って、普通の応募を確認してみたら、エントリーシートとかがあって、めんどくさいな、と思ってしまいました。 そんな時に、実績採用採用の存在を知って、自分の作ったものを見せて、それで駄目だったら、それはそれですっきりするな、とも思ったんです。 チームラボを受ける人は、もの作りをするのが好きな人が多いと思います。 自分の作ったもので判断してもらえるのはとてもよいのではないかと思います。なにより、ごまかしが効かないですから
学部・修士ともに、シリアスゲームを制作しました。教育やリハビリなどの場面を、エンターテインメント性でサポートするようなゲームです。僕は、フィットネスをテーマにゲームを作りました。 学部では、ステッパー(歩行動作を促す運動器具)を踏むと、画面の上からオブジェクトが落ちてくる。そのオブジェクトを、ゲーム内のキャラクターが登っていくので、ステップをたくさん踏んでオブジェクトを増やし、キャラクターをゴールに導く、みたいなゲームを制作しました。 また、修士では、顔の表情筋を使ってもらうことをテーマにしたゲームを作りました。まず、画面上に表示される「ぐー・ちょき・ぱー」に、後出しのじゃんけんような流れで、口の動きを認識して、「あ」が「パー」、「い」が「ちょき」、「う」が「ぐー」、という形で、顔の表情筋を使ってじゃんけんをし、相手に勝っていく。実績採用でも、これらを提出しました。
九州大学・芸術工学部の画像設計学科の学生でした。最初は、VFXみたいなこと、画像合成みたいなことがやりたかったんです。なので、主に、3DCGなどを作っていました。モニタ内の表現をしたかったんです。そして、結果的に、映画とかで使われるような、エフェクトやシーンみたいなものを作りたかった。また、CGだけではなく、アプリやゲームやWebを作ったり、電子工作したり、空間のインスタレーションを作ったり、幅広く制作活動をしてました。特に、学部生だった時、学園祭のファッションショーをやったのですが、それは、モデルとプロジェクションされた影とが、一緒に、ファッションショーをするみたいなものでした。その空間インスタレーション的な制作体験を通して、実際の人間が、映像空間の中に入り込む、みたいなことをやりたくなったんです。学校の中には、音響設計学科や環境設計学科、工業設計学科、などがあり、学内でチームを作って、なにかアウトプットを作っていました。アウトプットを考えていく中で、ネットなどで色々と調べているうちに、チームラボのことも知りました。 学生時代に広く浅く色々な物作りをした経験が、今、カタリストとして活かされてるように思います。
ひとつは、サッカーですね。少中高を通してずっとやっていました。大学では、フットサルのサークルに入っていました。また、前述の学祭の仲間とかと一緒に、旅行に行ったり、チームラボが当時開催していた佐賀の「チームラボと佐賀 巡る!巡り巡って巡る展」なども、観に行ったりしていました。 他には、予備校やテレビ局の報道部でバイトをしたり、ウェブ制作の会社にバイトで入ったりしました。そこで、プログラムを少しですが、書けるようになったり。いたって普通の大学生活だった気がします。
学部生のときに、一度目の就職活動をしました。当時は、早く会社に入りたい、と思っていました。単純に、親にお金を返したい。大学院行くと、さらにお金がかかってしまう。早く就職した方が良いな、と。で、マスコミを受けたのですが、全部落ちました。今から考えると、やりたいことがあったわけではなかった。はっきりした目標があったわけではなかったんです。それで、やばいな、と思いました。自分には、何かが足りないと思いました。色々と考えていく中で、ちょうどそのくらいの頃から、チームラボのことなどを、より知り始めて、そういう(空間的な)ことやりたい、と思うようになったんです。
チームラボには、実績採用で内定をもらいました。前述の、ファッションショーやシリアスゲームなどを提出しました。 卒業制作は、個人でやっていましたが、ファッションショーなどは、チームでやっていました。僕は、チームでつくる方が好き。そのことに気がつけたことが、応募することに繋がったと思います。 だから、大学院に入ってからは、ラボが第一希望でした。カタリストというような職種は、そもそも世の中にあまり存在していません。あっても、チームラボのような規模の集団はありませんでした。
入社前には、猪子さんの印象が強かったです。変わった人が多そうだな、と。正直言うと、メンバーのノリは心配でした。猪子さんみたいな人ばかりだったらどうしようかな、と思っていました。奇抜なイメージがあったので…。でも、いざ入社したら、まともな人の方が多いんだな、と思いました。 奇抜な人たちが、奇抜なアイディアを思いつき、作品を作ってるという印象があったのですが、それは違って、論理的に考え、少しずつ積み上げてクオリティを上げていく、という作り方をしているのは、入社前の印象と違ったなと思いました。
また入社する前に、あるプロジェクトでチームラボの方にお会いしたことがあったのですが、落ち着いた方で、そういう人でも大丈夫なんだ、と少し安心しました。 チームラボには、とにかく、いい人が多い。相談したら、真剣に回答してくれる。それは、いいものを作りたい、という共通の想いがあり、そこにしかベクトルが向いていないから、そのことをいつも考えているからだと思います。自分の、本当にやりたいことがここならできるな、と思いました。
ものをつくるのが好きな人には、ものづくりに集中できる集団なので、とても良いと思います。他の会社とは、比べものにならないくらいチャンスがまわってきます。想像できないくらい大きなプロジェクトを、いきなり担当できたりする。それは、とても幸せで、恵まれてる環境だなと思います。