チームラボ メンバーインタビュー
「やったことのないモノをみんなで作る」チームラボの作品を担うアートカタリストの仕事とは?
アートカタリスト(空間設計 / 海外フロント) / 三谷 啄馬
中途入社
アートカタリスト(空間設計 / 海外フロント) / 三谷 啄馬
大学で建築を学び、2年間店舗設計のインターンを経験後、米国の大学院を卒業し、店舗設計事務所で2年半働いた後、2021年にチームラボでアートカタリスト&海外フロント業務を担当。

チームラボに入る前の経歴

アメリカの店舗設計を得意とする設計事務所でレストランやカフェの設計を手がけていました。新しい挑戦を求めて転職を考えていたところ、偶然ニューヨークでチームラボの作品を見つけて存在を知ったんです。そこから興味を持って選考に参加し、無事にチームラボへ入ることが決まり、日本に帰国しました。

チームラボを知るきっかけとなった、ニューヨークに展示中の作品
《永遠の今の中で連続する生と死 II, Grand Central Terminal》

チームラボに入ってから現在まで

チームラボにはアートカタリストとして入り、「空間設計・施工管理チーム」と「海外フロントチーム」の2つのチームに所属しています。
入った当初は主に空間設計業務を担当していましたが、半年後には海外フロントチームの業務を担当するようになり、1年後には国内プロジェクトのフロント業務も担うようになりました。

*フロント業務とは:
プロジェクトの窓口となってチームラボメンバーとクライアント / パートナー企業を繋ぐ役割を担うこと

現在は、チームラボのグッズショップや展示の顔となるエントランスのサインを作るなど、空間作りとチームラボの作品を組み合わせたデザイン的な業務が多くなっています。

前職との違いは?

前職とは、空間設計をする際のアプローチが最も異なります。例えると、
前職では部屋に絵を飾る際に、その部屋に合うような絵を選んで飾る
「空間→絵」という順のアプローチでした。

一方、チームラボでは飾る絵を中心に、その周りの空間を設計する
「絵→空間」という逆のアプローチなんです。
「アート体験を考えた場合にベストな空間」を目指すことは、自分にとって初めての視点でした。

ーその視点はすぐに身につけられましたか?
入ってすぐに携わった案件では、正直まだその視点は持てていなかったと思います。大きなプロジェクトに携わり始めてから「視点を変えないとこれは上手くいかないな」と気づきました。

というのも、当時の私は前職の経験から蓄積された知識によって”最適解”を出すことが前提になっていたんだと思います。
なので、新しい方法を提案することもできず、仕事の進め方においてもどうすれば良いか悩んでいたんです。

そんな時、周りのエンジニアやカタリストの進め方を見ていく中で、
「やったことのないモノをみんなで作っている」ということに気づき、
「今の知識だとできないけれど、できる方法を探そう、テストしよう」という考え方に変わりました。

そしてチームラボでは「毎回新しいモノを作っていくんだ」というマインドセットにも変化しました。

チームメンバーと打ち合わせをする様子

それからは、メンバーからアイディアをもらったら、それを現実的な方向に様々な人を巻き込みながら動かせるようにもなりました。
”いいモノを作るために、いいチームを作る”というのは、ものすごく重要なことだと考えています。カタリストの仕事は難しいとも感じつつ、そこがやりがいにもなっていますし、「自分にしかできないかも」と思っています。

最も印象に残っているプロジェクトは?

大阪の長居植物園に常設している夜の野外ミュージアム「チームラボ ボタニカルガーデン 大阪」です。今でこそメインビジュアルになっているこの作品ですが、実は公開の2ヶ月前に急遽完成形が変わったんです。

長居植物園(大阪府)で常設展示されている《風の中の散逸する鳥の彫刻群》

ーあの巨大な作品は2ヶ月で作り上げられたのですか!? 当時どのように進めたのか具体的に教えてください。
この作品は、実際に周辺を飛ぶ鳥が、周辺の環境に連続的に与えるエネルギーを描き続ける、巨大な彫刻群です。彫刻群を、昼間はリアルな地層のように見せる、かつ夜間に作品が描かれる際のベストな状態を作ることが私たちのチームのミッションでした。

具体的には、壁の見え方を事前に確認するためにオフィスで検証を行いました。

画像左よりオフィスでの検証。施工前→施工中→施工後の様子

検証後、直接素材に地層の「うねり」を作るのは職人さんなので、事前に正しくイメージを伝えることが非常に重要でした。
Adobe Illustratorで「うねり」のパーセンテージを出し、小さいパネルを試作品として作って完成イメージを伝えました。

施工時には、一面が完成したタイミングで職人さんと一緒に確認し、追加の対応をお願いしたりしながら、完成に向けて進めていきました。

作品に実際に施工された様子

私自身の役割としては、クオリティ面はもちろん、スケジュールやコスト面の管理も任されていました。そのため、施工中は大阪に滞在し、現場で業者の方々と一緒にヘルメットを被って仕事していました。

実際に夜間に作品を描き出す工程は別のチームが担当するので、それまでにベストな状態にし、「あとは任せた!」と引き継ぐことができた時、とても安心しました。

ーチームラボ内外問わず、限られた期間の中で多くのメンバーで協力し完成させたのですね!前職の経験や設計スキルを踏まえて、今回のような役割を任されたのですか?
そうですね。当時チームラボに入ったばかりだったので、前職の経験を充分に活かせるフェーズを担当させてもらいました。
現在携わっている大型のプロジェクトでは、作品の一部の施工管理だけではなく、プランニングや契約面も管理する「全体を見る役割」を担っています。チームラボでは仕事の経験を積みながら、役割の範囲が広がっていくのだと思います。

どんな人がこの仕事に向いていると思いますか?

プレッシャーを楽しむことができる人だと思います!わからない中進めることは不安だと思うのですが、それを楽しんで取り組める人は向いていると思います。また、様々な専門家とコミュニケーションを取る機会も多いので、必要な知識や情報を自ら調べたり、体験して自分のわかる範囲を広げていくこともこの仕事では重要だなと感じています。

ー好奇心や学習欲のある方は活躍の幅が広がりそうですね!
そうですね!あとはわからないことをすぐに聞けたり、小さなコミュニケーションを取れるメンバーがチームには多いかもしれないです。
とはいえ、話好きではなくても大丈夫なので安心してください(笑)

自分の興味や好きなことに対し、楽しみながら探求できる方をお待ちしております!